2016年11月1日火曜日

最近の暴力団のシノギ事情と驚く資金力

15億をポン! ヤクザの資金力と「身近なシノギ事情」 ヤツらがネット検索する理由…専門記者が解説

2016/10/30(日) 7:00配信



知っているようで知らない、ヤクザの世界。いまのヤクザって、どうやってお金を集めているんでしょう。本人たちに聞けない代わりに、ヤクザに詳しい専門記者に聞いてみました。(朝日新聞東京社会部記者・原田朱美)

10億、15億
今回も、こたえてくれるのは朝日新聞東京社会部の緒方健二記者(57)。

暴力団など組織犯罪と事件の専門記者で、裏社会の取材歴は30年近くになります。

緒方記者、よろしくお願いします。

緒方記者「読者のみなさまの会えないワルどもに会って悪行のあれこれを報じて、読者のみなさまのお役に立つのが記者の本分と心得ています」

好きな俳優は、高倉健さんだそうです。

質問役は、ヤクザに興味津々の大学生ら若者9人。
いろいろ聞きたいことがあるようで、みんな前のめりです。

学生「ヤクザのシノギって、どんな感じなんですか?」

緒方記者「シノギなどという言葉を知っているんですね……! シノギ。資金源ですね。ヤクザの伝統的資金源は、賭博、覚醒剤などの薬物、恐喝、ノミ行為といったもの。ある時期からもう少し頭を使うようになりました。証券や不動産の知識を蓄えて、バブル景気の時代には、株や不動産で大もうけしました」

学生「へえ~」

緒方記者「あ、そうだ。お金と言えば。国内最大組織、山口組のトップの名前って知ってますか? 司忍組長ね。本名は篠田建市氏。かつて、銃刀法違反の容疑で逮捕されて、裁判でも有罪になりました」

緒方記者「逮捕・起訴されても、有罪が確定するまでは、まだシャバ……じゃなかった、一般社会にいられます。保釈保証金という言葉を聞いたことがあるでしょうか。裁判所が、この金額だったら逃亡の恐れがないと、お金と引き換えにいったん社会に戻す制度があります。さて、みなさんに質問です。司忍組長の保釈保証金はいくらだったでしょう? 分かる人!」

学生「3億……?」

緒方記者「んん! 違う! 10億です」

学生「ええええええ!!!!」

緒方記者「山口組のナンバー2は高山清司氏。この人も、ある恐喝事件で2010年に捕まりました。で、彼も巨額の保釈金を積みました。さて、じゃあその金額はいくらでしょう? 分かる人!」

学生「8億!」

緒方記者「組長より低いと思いますよね? 違うんです。15億です。いまどき、現金で10億、15億という金をぽんと用意できる組織や個人は、暴力団以外にはないでしょうね。それくらいの資金力だということです」

いまの収入源は
学生「最近のシノギは、変化がありますか?」

緒方記者「ありますね。バブルが崩壊した後、1992年に施行された暴力団対策法による取り締まりが厳しくなって、シノギがだいぶ制限されてきました。いまの主な収入源は、覚醒剤と特殊詐欺でしょうかね。『オレオレ詐欺』みたいなやつです」

男子学生「おばあちゃんのところに、僕の父親のふりをして『300万振り込んで』って言う電話がかかってきました。おばあちゃんが念のため父親に確認して、被害にはあいませんでしたが」

緒方記者「狙われるのはお年寄りですよね。特殊詐欺をやる側の人を探し出しては何度も取材をしましたが、完全にピラミッド化した組織構造で、細かく役割分担をしてるんですよね。てっぺんにいるのが、首謀者。ここにだいたいヤクザの幹部連中がいます」

緒方記者「一番下は、電話をかける通称『掛け子』と、金を取りに行かせる通称『出し子』。末端の出し子とかは、てっぺんにヤクザがいるっちゅうことは知りません。このピラミッドのトップまでを逮捕するのは難しい。トップを逮捕しないと詐欺組織は壊滅できないんですが」

学生「そうなんですね……」

緒方記者「出し子は簡単に換えがききます。みなさんも注意してほしいんですが、実はヤクザは、この出し子として、若い人を街でスカウトしています。例えば漫画喫茶で、バイト暮らしをしているような若者を見つけて『割のいいバイトがある。成功したら即金で50万』とかささやきます。みなさんは引っかからないと思いますが、甘い話には気をつけてくださいね」

割のいい商売
学生「覚醒剤のほうは、どうなんですか?」

緒方記者「これはね。恐ろしいくらいに広がっています。覚醒剤って、1回に使う量がだいたい決まってるんですが、さて、また質問です。1回の使用量はいくらでしょう!」

学生「……」

緒方記者「当てずっぽうでいいから」

学生「0.1グラム……?」

緒方記者「残念。0.1だとちょっと多いね。常習者になるとそれくらい使う人もいるでしょうけど、だいたいは0.03グラムです。ピンとこないでしょうけど、耳かきでほんのちょっと。はい、じゃあ、この0.03グラムは、いくらでしょう!」

学生「5千円?」

緒方記者「覚醒剤の質にもよりますが、だいたい1千円前後です。大学のキャンパスって基本的にだれでも入れますから、学生に見えなくもないようなヤクザを入り込ませて、『疲れてるんならすぐ効く薬があるよ』とか言って、ばんばん売りつけたりします。バイト先でも要注意。ネット上でも『アイス』だの『冷たいの』なんていう隠語で売っていますから、絶対に買っちゃダメ。興味本位での接触が人生を終わらせます。」

学生「大学でも売ってるんだ……」

緒方記者「売値は0.03グラムで1千円前後ですが、仕入れ値は60円前後ですから、売る側からすると、とっても割のいい商売。さきほどの特殊詐欺も、1件で300万、500万が手に入るわけで。こういう安易で、かつ一度に多額のもうけがでる商売にヤクザは突き進みます」

芸能界とのつながりは?
学生「週刊誌をみていると、芸能人の誰がヤクザと付き合いがあるとか、いろいろ書いてます。芸能界とヤクザのつながりって、やっぱりあるんですか?」

緒方記者「元プロ野球選手の清原和博さんが逮捕された時に、プロスポーツ界や芸能界とのつながりを新聞や週刊誌に書きました。ヤクザからすると、芸能人やスポーツ選手って、覚醒剤を相場より高く買ってくれるんだそうです。たとえば一般人に1万円で売っているものを10万円とかね」

緒方記者「芸能人やスポーツ選手は名前で売っている人たちですから、もしシャブを買っていたことが露見したら、人生が終わりかねない。だから密売人が高めの額をふっかけても買ってくれる、とてもいい客だそうです」

学生「日本のヤクザは、海外とのつながりもあるんですか?」

緒方記者「あります、あります。このごろはアジアとのつながりが目立ちますね。中国、台湾、フィリピンなどなど。海外組織に詳しい反社会勢力によれば、それらと組んで覚醒剤や拳銃を密輸入していると」

学生「やっぱり、つながってるんですね」

緒方記者「中国や台湾のワル組織とつるんで『オレオレ詐欺』もやっています。たとえば中国に詐欺グループの拠点を置いて、そこに日本人の『掛け子』を集めて終日、日本にだましの電話を掛けています。実際に中国で掛け子をやった日本人に話を聞いたんですが、『中国語をしゃべるボスの指示で1日に500件の電話を掛けさせられた』と。『同じ日本人をだますことに罪悪感はないのか』って聞いたら、『途中からそう思うようになって……』。最初から思わんかい」

画像でも稼ぐ
学生「『ヤクザはこんな方法で稼いでいるのか』と驚くようなものはありますか?」

緒方記者「ああ、そうだ。彼らはネット上の画像も商売にしてます。例えば、なんて言えばいいかな……。えー……皆さんが親しくしている人との……親しくしている場面などを……」

学生「要はエッチですね」

緒方記者「そうそう(笑)。そういう画像でも金を稼ごうと、ヤクザたちはネット検索をしてます。私は技術的なことはわからんのですが、ネット上に出回っている画像から、彼らは投稿者の個人情報まで割り出すことができるそうです」

学生「えっ! 怖い!」

緒方記者「そして極端な話だと、本人に『楽しい画像をありがとう』とかメッセージを送りつけて、脅して金を要求する。だからみなさん、安易にネットに画像を載せないでね。それにこの種の画像はアップしたが最後で、未来永劫消えることはありません。と、ネット犯罪に詳しい警察幹部が言っておりました」

ヤクザの資金源が身近なところにまで及んでいることに、若者たちは、言葉を失っていました。

参照元 : withnews






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